香典を故人の遺志だとして受け取られない葬儀が増えています

最近、葬儀に参列すると、故人の遺志により香典は丁重にお断りしますと、香典を受け取られないケースが増えています。
これは葬儀における虚礼を廃止すると言う意味や、遺族が満中陰にお返しをする煩わしを無くすと言う意味があるのでしょうが、受け取られないと困る場合もあります。

例えば、私の父の葬儀の時には、普通に香典を受け取り、半返しで香典返しを行いました。それから暫くして、香典を頂いた方の父君が他界され、今度は私が葬儀に参列したのですが、その葬儀では香典を受け取ってもらえなかったのです。

自分の親の時には香典を受け取り、そのお返しの意味もあり、同額の香典をその方の父君の葬儀に持参したものの受け取ってもらえず、大いに困りました。
それが虚礼と言う事なのかも知れませんが、一般的にはそれが習わしであり、受け取ってもらえず本当に困惑し、どのようにすべきか色々と悩みました。

改めて弔問に訪れてご仏前としてお供えする事も考えましたが、遺族の方が取り込んで居られるとき、弔問して対応に気を使わせるのもご迷惑だと、それは思い止まりました。

こうして悩んだ挙句、49日の法要の前に、ご仏前へのお供えの品を送付させてもらい、お返しの心を伝えました。
香典を受け取らないと言う事が、世間の通例となれば、それはそれで良いのですが、現状では受け取る葬儀もあれば、拒まれる葬儀もあり、むしろどうすべきか色々と考え悩むと言う状況を作りだしているように思います。

かつては余り多く無かった家族葬が増え、一般の葬儀でも参列者から香典を受け取らない等、葬儀の簡素化の傾向なのでしょう。この事は、葬儀の費用を安く上げる意味で異論はなく、私も簡素な葬儀の方が良いと思います。

しかし、親戚付き合いやご近所付き合いでは、かつて受けた恩義は返すべきと言う日本人の心情は残っており、そうした事と葬儀の簡素化の中で、どうすべきか少し悩むような事も現出する事でしょう。

こうした変化の中で、何がマナーとしてベストなのか、やはり冠婚葬祭のマナーは時代が変われど、相変わらず悩ましいものだと痛感する出来事でした。